支払調書の「本人交付」は義務じゃない?実務上の正しい対応とは

1月になると取引先から届く「支払調書を送ってください」という依頼。
「これって法律で決まっているの?」「正直、一人ひとりに送るのは負担…」と感じている経営者や経理担当者の方は多いのではないでしょうか。
実は、支払調書を外注先に渡す法的義務はありません。
今回は、混同されがちな「源泉徴収票」との違いや、実務的な対応について解説します。

1.「源泉徴収票」と「支払調書」の決定的な違い

まず整理しておきたいのが、法律上の「交付義務」の有無です。

書類の種類提出先本人への交付義務根拠法令
源泉徴収票(給与等)税務署&本人あり所得税法第226条
支払調書(外注費等)税務署のみなし所得税法第225条

支払調書は、あくまで税務署が「誰がいくら稼いだか」を把握するための資料(法定調書)であり、
受け取った本人に渡すことまでは法律で求められていません。

2. なぜ「出すのが当たり前」だと思われているのか?

義務がないのに発行が習慣化している理由は、主に3つあります。

1.昔からの商習慣:
 ネットが普及する前、外注先が計算しやすいようにという「サービス」の名残。
2.確定申告の添付書類という誤解:
 現在、確定申告に支払調書を添付する必要はありません。
3.確定申告の計算を自分で行いたくない:
 支払調書があれば自分で集計せずに済みます。

3.まとめ:発行は「義務」ではなく「サービス」

支払調書の発行は、あくまで貴社の任意です。

  • 税務署への提出: 一定金額以上なら必要
  • 外注先への交付: 不要(送らなくても罰則なし)

「うちは発行を続けるべき?」「この支払いは提出対象?」など
具体的な判断に迷われた際は、当事務所までお気軽にご相談ください。
税務・労務の両面から、貴社のバックオフィス最適化をサポートいたします。

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